SIG-KST:知識・技術・技能の伝承支援研究会(人工知能学会 第2種研究会)
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知識・技術・技能の伝承支援研究会 第2回研究会


日時:

  • 2007年 8月 2日(木) 13:30 - 17:25


場所:


参加費:

  • 無料


プログラム:

  • 13:10 受付開始


  • 13:30-13:35 開会挨拶



 要旨:
 日本の製造業においては,生産拠点の海外移転による産業の空洞化や熟練技能
 者の退職による2007年問題など,日本のものづくりを支えてきた基盤的技術産
 業において「匠の技」の衰退が懸念されています.ものづくりのための技能の
 修得には,視覚的な体験だけでなく,工具や製品の重量感や触り心地,音など
 のような五感による体験や複数の技能者間のコミュニケーションも重要なこと
 です.そこで,ものづくり基盤技術を事例として,マルチメディア技術・バー
 チャルリアリティ技術・ロボット技術を融合した場の共有による製造知識の獲
 得と人材育成について述べます.また,バーチャルリアリティ技術を活用した
 ユニバーサルデザイン製品の設計支援や高齢者・女性労働者の作業支援などの
 新たな試みについても紹介します.また,愛・地球博プロトタイプロボット展
 でも一般公開した匠の技を伝えるサイバーアシスト・マイスター・ロボットに
 ついても紹介します.


 SIG-KST事務局によるご紹介:
 埼玉大学大学院の綿貫啓一教授は,VRを使った職人の経験や勘を伝承する研究に
 取り組んでおられ,メディアにも多数取り上げられています.また,日本設計工
 学会の設計知識・製造技術の伝承と人材育成に関する研究調査分科会では主査を
 お務めです。この度,研究会でご講演いただくことになりましたので,多数のご
 参加をお待ちしております.



 要旨:
 設計書の検証はデザインレビューによるところが多いが、今後はベテラン技術者の不足が予想される。
 筆者らはレビューノウハウの伝承を目的として、設計書の内容から関連するチェック項目や不具合事例を
 連想するルールを形式言語で記述する仕組みを開発した。設計者が設計書を作成中に、システムは
 レビュールールに基づいて内容をリアルタイムに分析して、誤りの指摘や関連情報の提示を行うことができる。
 本論文では、文書構造、辞書や部品属性を利用して文書内容とルールを照合する仕組み、及び回路や
 加工手順の設計での適用事例について述べる。



 要旨:
 本研究センターでは、「中小企業基盤技術継承支援事業」を中小企業庁・NEDOより
 受託し、「・技術・技能の継承・共有化ツール(加工テンプレート)の開発」と
 「・工程・製造設計支援アプリケーション構築技術開発」の二つの開発課題を実施している。
 前者では鋳造、鍛造、めっき、熱処理という基盤的な加工技術を対象に、
 技能の抽出と継承のための加工現象の解明と体系化に関する研究、加工計測技術の研究を行い、
 技能継承支援ツール「加工テンプレート」として開発することを目指している。
 そのコンセプトと開発状況について報告を行う。


  • 15:30-15:50 休憩



 要旨:
 建築学は設計や建設のための知の開拓と継承を目的としている.
 近代建築学は近代科学の方法論を援用し,そのための合理的な方法を模索してきている.
 しかし,近代科学の原理である,普遍性,客観性,論理性に従う合理的な方法は,
 必ずしもすべての知を継承しているわけではない.
 本発表はアイヌ民家の建設過程の記録(文と写真)を資料として得られた,
 一棟の建物を建設するために伝えられる知の形式と様相及び
 それらと近代科学的な知との関わりについて報告するものである.



 要旨:
 医療現場で用いられているクリニカルパス(以下パス)は質の保証、情報の共有化を
 行う医療プロセスだが、知識プロセスも含まれている。この知識プロセスは、暗黙的
 な個々の医療専門職が持つ「知」を対話で組織が利用できる形式「知」であるパスを
 創り、それを組織が共有・活用しながら新たな「知」を個々が獲得し、再び新たな
 「知」を用いてパスを改善するスパイラルプロセスである。パスを用いることで医療
 現場での経験知の伝承を容易にし、医療プロセスの客観性・一貫性の確保が可能に
 なった。本稿では、医療プロセスの可視化と知識プロセスについて述べる。



 要旨:
 これまでノウハウ登録と手順登録が混在して語られてきています。
 ノウハウを記録するためには業務手順をプログラム化でするのではなく、ノウハウそのものを
 記録することが必要です。ノウハウとは業務を遂行するための知識や手順等情報と、
 状況判断に沿った、情報の利用方法であると考えらます。
 そこで、ノウハウ伝授システムを実現するためには、専門用語の登録と断片的な業務遂行ノウハウ
 を記録することから始まると考え、試行システムを構築しましたので、報告します。


  • 17:20-17:25 閉会挨拶


以上